非変性Ⅱ型コラーゲンについて

コラーゲンの種類

UC-Ⅱ®は体のすべての部位に均等に作用する成分ではありません。非変性Ⅱ型コラーゲンを主成分とする関節軟骨に有用に働くと考えられます。体内に約30種類あるといわれているコラーゲン。その種類を知ることは効率的なコラーゲン摂取への近道です。

コラーゲンの種類

たくさんのアミノ酸の組み合わせで形成されている「コラーゲン」には、その組み合わせによって、強度や組織分布の違ういくつかの種類(型)があり、それらはそれぞれ体内での働きも異なります。また、同じ型のコラーゲンであっても、サプリメントなどで摂取する場合には、「変性」か「非変性」かに分けて考えることも大切です。

「体内にはどんなコラーゲンがあり」「どういった特徴を持っているのか」。コラーゲンの種類について解説します。

体内には、約30種類のコラーゲンが存在します

現在、人間の体には、約30種類*のコラーゲンがあるといわれており、Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型……というように、「型」で分類されています。それぞれ多く含まれる場所や役割は違いますが、大きくは、線維を形成する線維性コラーゲン(Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型、Ⅴ型、Ⅺ型など)と、線維を形成せず、主に線維形成を補助する役割を担う非線維性コラーゲン(Ⅳ型、Ⅵ型、Ⅶ型など)に分かれます。
*出所:「加齢にともなうIII型コラーゲン/ I型コラーゲンの比率の減少メカニズム 〜III型コラーゲンプロペプチド切断酵素 meprin の加齢変化〜(日本メナード化粧品株式会社 総合研究所)」

コラーゲンはそれぞれに役割を持ち、身体を支えています

これらのコラーゲンの中で、私たち脊椎動物の体に最も多くあるのが、「Ⅰ型コラーゲン」です。Ⅰ型コラーゲンは、線維性コラーゲンの1つで、組織に強さと弾力を与える働きをしています。体内のほぼすべての組織に存在しますが、とくに多く含まれるのが、皮膚と骨と腱で、皮膚に含まれるコラーゲンの約90%がⅠ型コラーゲンになります。

Ⅰ型コラーゲンに次いで体内に多く存在するのが、「Ⅲ型コラーゲン」です。Ⅲ型コラーゲンも、Ⅰ型コラーゲンと同様に、線維性のコラーゲンですが、Ⅰ型コラーゲンの線維より細い網目状の構造をしているため、組織に柔軟性をもたらします。体内では、Ⅰ型コラーゲンと共存している場合も多く、皮膚や血管、子宮などの臓器に多く含まれています。

そして、軟骨の主成分として関節に多く存在し、体のスムーズな動きを支えているのが「Ⅱ型コラーゲン」です。軟骨の構成成分としては、最近グルコサミンやコンドロイチンが知られるようになりましたが、これらの成分が軟骨の約3~5%であるのに対し、Ⅱ型コラーゲンは軟骨の約12~15%をも占めるといわれています。Ⅱ型コラーゲンが不足すると、軟骨の弾力が失われてすり減り、関節のこわばりや変形、関節痛が引き起こされるのです。加えて、Ⅱ型コラーゲンは、眼の角膜や硝子体を構成する重要な成分でもあります。

軟骨の主な構成成分であるⅡ型コラーゲン

コリコリとした歯触りの「ナンコツ」という焼き鳥を召し上がったことはありますか? 
これはニワトリの胸骨部分の軟骨です。この部分にはⅡ型コラーゲンが多く存在しています。

UC-Ⅱは、鶏胸軟骨由来のⅡ型コラーゲンです。

このほかにも、Ⅳ型コラーゲンは基底膜(きていまく)の主成分として皮膚の「表皮」と「真皮」をつなぐ役割を持つなど、コラーゲンにはそれぞれ特徴があり、適材適所で私たちの体を支えているのです。

「ゼラチン」もコラーゲンからつくられています

これまでお話したコラーゲンは、すべて人間の体の中に元来あるものです。その一方で、コラーゲンを元に人工的に生成し、コラーゲン製品の原料として広く使われているものもあります。
その中で、皆さんに一番馴染みがあると思われるのが、「ゼラチン」です。ゼラチンは、動物のコラーゲンに熱を加えて、変性させたものです。もともとコラーゲンは三重らせん構造と強固な結合により、水に溶けない性質を持っていますが、加熱することで三重らせん構造が崩れ、水に溶かすことができるようになります。この熱による性質の変化をゼラチン化と呼び、その過程でできた物質が「ゼラチン」です。そして、熱でバラバラになったゼラチンは、冷えることで一部が再結合するという性質を持ち、その性質を利用してゼリーなどがつくられるのです。

一方、耳にする機会が増えてきたのが「コラーゲンペプチド」というものです。簡単にいえば、これは、コラーゲンを特殊な酵素などで加水分解して、ゼラチンよりさらに細かい形状にしたものです。水に溶けやすく、消化しやすいという特徴があるため、健康食品や化粧品の分野で広く活用されています。コラーゲンペプチドなど加水分解により細かく分解されたものを、加水分解コラーゲンと呼びます。

以上が、日常生活の中で耳にすることが多いコラーゲン製品の原料ですが、ほかにも、医療用インプラントや人工皮膚などに用いられる、「アテロコラーゲン」などがあります。

コラーゲンの「変性」、「非変性」

UC-Ⅱ®の原料である「非変性Ⅱ型コラーゲン」も、人工的に抽出されたコラーゲンの1つです。

当サイト内の「UC-Ⅱ®とは?」でもお話ししたように、非変性Ⅱ型コラーゲンの「非変性」とは、動物の体内にあるコラーゲンを、限りなく三重らせん構造を維持した、そのままの状態で取り出すことを意味します。これに対し、ゼラチンやコラーゲンペプチドのように、コラーゲンの構造を変化させたものは「変性コラーゲン」と呼ばれます。

そして、現在、非変性Ⅱ型コラーゲンと変性コラーゲンの大きな違いと考えられているのが、経口摂取時の消化吸収です。通常、変性コラーゲンは、口から摂取してもそのままの形では吸収されず、一旦アミノ酸に分解されてしまいます。一方、非変性Ⅱ型コラーゲンの場合は、口腔内や胃を経ても、コラーゲン分子が一定の構造を維持したまま、腸管まで届くと考えられているのです。

コラーゲン研究は日進月歩の領域です

ここまでお話ししたコラーゲンの種類や機能は、あくまでも現在までに分かっている範囲のものです。今後新しい種類のコラーゲンが発見される可能性も十分にありますし、すでに発見されているコラーゲンについても、どのような機能を持つコラーゲンなのか、解明が進んでいくと思います。

コラーゲンの存在や重要性自体は、かなり前から知られていました。しかし、その細かな分類や機能が分かってきたのは、比較的最近です。今も、たくさんの生化学的研究が行われ、日進月歩進化を続けているのです。